ポートランドの今

ー ポートランド‐札幌市毎年協会会長 菊池真巨氏より寄稿

はじめまして、ポートランド‐札幌姉妹都市協会会長の菊地真巨(きくちまみ)と申します。1959年、ポートランド市と札幌市の姉妹都市交流が始まりました。第二次世界大戦後、アイゼンハワー米大統領が、市民レベルでの国際親善の重要性を提唱したことがきっかけで、当時世界中で国際的な姉妹都市提携が盛んになりました。以来62年間にわたって、学業やスポーツ、アートなどさまざまな分野で、活発な市民交流が行われてきました。

NPOであるポートランド札幌姉妹都市協会(PSSCA)は、ポートランド市と協力しながら、これらの市民交流を草の根で支えてきました。また、ポートランド圏で札幌と北海道に縁のある市民同士の交流や、両市間の市長の公式訪問等のサポートも行っています。

新型コロナによるパンデミック以降、旅行を伴う国際事業はすべてキャンセルとなっていますが、札幌を含む日本の皆さんからは「今のポートランドはどんな感じですか?」「ポートランドは大丈夫ですか?」という質問をよく頂きますので、この場をお借りして現況について簡単にレポートさせていただきます。

長く続いたコロナ禍による外出自粛によって多数のビジネスが休業・閉店。小売業や飲食店への入店者数が制限され、多くの企業がリモート勤務に切り替えたことに加え、昨年活発化した「ブラック・ライブズ・マター」に関するデモ等により、デモ隊と警察との衝突や暴動による被害が起こり、街の中心部はあっという間にベニヤ板に囲まれるようになりました。ダウンタウンは昨年からほぼ一年間長い間、人気が少なくゴーストタウンのようでした。

それが急激に変化したのが、ワクチン接種が浸透してきた今年の春です。4月、5月頃から誰でもワクチンを受けられるようになるにつれて新規の感染者数が減少していき、屋内の人数制限が緩和されて、一気にレストランやカフェがにぎわい始めました。

人数制限があった時期にそれを逆手にとって素敵な屋外席を設けた店が増え、もともと野外やアウトドアが好きなポートランド市民の人気を集めています。スーパーや小売店にも、普通に買い物を楽しむ人々が戻りつつあり、ビジネスを再開するホテルや店が増えてきました。

7月23~25日の週末には、再開を祝うウェルカムバック・イベントとして、地元の人気バンド「ピンク・マティーニ」の無料コンサートや橋のライトアップ、地元アーティストが自分の作品を販売するマーケット、ローラースケート体験、ファッションショーなど、20以上のイベントが市内各地で行われました。今秋からは、オレゴンシンフォニーのコンサートなども再開され、閉鎖されていたポートランド州立大学のキャンパスもオープンするそうです。

新規感染者の再増加で、屋内でのマスク着用が再び推奨されるなど、コロナへの対応はしばらく続きそうですが、ポートランドの人々はこの短い夏を満喫しています。

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Kevin Johnson @ Prosper Portland
Kevin Johnson @ Prosper Portland

Written by Kevin Johnson @ Prosper Portland

ケビン・ジョンソン。ポートランド市の経済振興・都市振興などを担当する組織”プロスパー・ポートランド”にて、製造業およびPortland - Japan Initiativeを担当。ニュースレター登録 https://bit.ly/2ZovxBx

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