Report : 世田谷ポートランド都市文化交流協会（PSACE）主催、ポートランドまちづくりスクール参加レポート

ポートランドのパートナー都市である世田谷区にて、まちづくりにおいて先進的な取り組みで評価されているポートランド市の市民活動や、企業・NPOなどの取り組みを市民レベルの視点で学んでいこうという趣旨で有識者やポートランドに関わる方々によって発足された産官学民の任意団体であるポートランド都市文化交流協会（以下、PSACE）。昨年より、同協会主催により、「ポートランドまちづくりスクール」がオンラインにて開催されています。

１２月に行われた第２回目の「まちづくりスクール」の講義は、『ポートランドの暮らしについて語る』というテーマで、千葉大学大学院の村木美貴先生が登壇され、先生のご友人でポートランド州立大学行政学学部長の西芝雅美教授を迎え、対話形式にて行われました。

村木先生は2000年から2001年にかけて客員研究員としてポートランド州立大学（以下PSU）に在籍され、それ以降もポートランドを訪問されており、過去２０年のまちの変化を見られています。

また、ポートランド州立大学の西芝雅美教授は、ポートランドの多様性・住民参画を専門に研究され、住民、市職員、活動家など、様々な実務者とともに長年に渡り協働され、活躍されています。

西芝教授はこれまで１７年に渡り、日本の公務員や民間、NPO、学生などを対象にした『まちづくり人材育成プログラム』を主宰されています。ポートランドの実務家や活動家も交えた「参加型」のプログラムで、１月・２月にオンラインで行われます。詳細は記事の最後をご覧ください。

今回の講義では、様々な角度からポートランドの生活において村木先生と西芝先生がお話をされましたが、その中の一つに「ポートランドはみんなグリーン（低炭素）派なのか」というトピックが挙げられました。村木先生よりグリーンビルディングや環境不動産について紹介があり、建物だけでなく、地区全体で LEED 認証を取得して、効率的な環境対策・景観対策がなされていること、そして、LEED認定を受ける建物は、ミクストユースになっている事が多く、低層部を商業利用にし高層部を住宅にするなどの工夫。さらに、昼夜続く賑わいのために、「就業者数：住戸数 １：３程度」が取り入れられていることが紹介されました。

ポートランドはサステナビリティーに力を入れている街としても知られていますが、環境対策においてポートランドは「C40」という、気候変動への取り組みに取り組む世界の大都市のネットワークに参加しています。都市が効果的に協力し、知識を共有し、気候変動に対する意味のある、測定可能で持続可能な行動を推進しています。

ポートランドの住宅所有者は、ホーム・エネルギー・スコア条例により、住宅を売る際、ホームエネルギースコアを取得し、不動産物件のリストに公表が必要になりました。これは長期的な市場変革政策として開始されたもので、これまで目に見えなかったエネルギー情報に注目しています。この政策は、エネルギー効率を良くしたいという消費者の意識や需要を刺激し、二酸化炭素排出量を削減することを目的としています。

https://www.c40.org/case_studies/portland-home-scoring

また、ポートランドまちづくりスクールの今後の日程は下記のとおりです。詳細はこちらより。

１月9日（土）10:00～11：30 講師 福岡孝則（東京農業大学准教授）
第３回：ポートランド市におけるグリーンインフラ実装の展開

２月13日（土）10:00～11：30 講師 村山顕人（東京大学准教授）
第４回：ポートランド都心部を形成した計画と新しいまちづくりの枠組み

３月13日（土）10:00～11：30 講師 小林正美（明治大学教授）
第５回：ポートランドの都市デザインの展開（仮）

毎回、ポートランド現地レポーターよりタイムリーでリアルなレポートがあります。これまで、アメリカ大統領選直後のポートランドの様子など、現地の声をレポートいただきました。

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