Pick-up: セールスピッチ強化オンラインセミナー
この記事はオレゴン日米協会のエグゼクティブディレクター、グラハム・モリス氏の寄稿です。
オレゴン日米協会（JASO）はボランティア主体で運営されている会員制の非営利団体で、ビジネスを支援し、コミュニティを発展させ、日本と私たちの住むオレゴン州およびワシントン州南西部との関係を強化することを目的としています。
今年の初めごろから、プロスパー・ポートランドと協議を行ってきた中で、オレゴン州およびワシントン州南西部のビジネスと繫がりたい日本の起業家をサポートする新プログラムとして”セールスピッチ強化オンラインセミナー”[1] を共同で開催することになりました。
プロスパー・ポートランドの日米間を繋ぐB2Bネットワーキングイベント[1]が回数を重ね、シリーズとして拡大するにつれ、日本企業が米国の文化的アイデンティティやビジネス上でのコミュニケーションスタイルを理解することが、ますます重要になってきていました。そこで私たちは「ピッチ」[2]への取り組みから始めることにしました。B2Bイベントでは、各企業はそれぞれ2分以内で、アメリカやオレゴン州の市場に向けた企業や商品の紹介を 、3つのグループで繰り返します。
どうすれば、このイベントで日本企業が成功を収めることが出来るか？
JASOでは、さまざまな業種で活躍する16名の熱心なボランティアを集めました。ナイキのシニアデジタルマーケッター、アディダスジャパンの元社長、アジアのソフトウェア会社の副社長、日本の大手商社のゼネラルマネージャー、設備設計会社のオーナー、生化学の博士課程の学生、経済開発担当者、シニアマーケティング担当者など、実にさまざまなメンバーが参加してくれました。
チームはミーティングを重ね、プランを練り上げて要点をまとめあげ、セミナー参加企業に対して、20秒の「つかみ」、2分の 「ピッチ」、そして15分の「プレゼンテーション」 を課題にしました。聞き手の心をすばやく掴み、ハイライトを伝え、要望があればじっくりと詳細を話せるようにしておくのです。
私たちは、ピッチで必要とされる、言葉で説明すべき10のキーポイント、言外に含まれる10の行動、上手な見せ方や話し方の詳細などを細かくリストアップして、紙一枚にまとめました。
6月2日、私たちはZoomを使って、日本からの参加者約３０名と９０分間の練習セッションを行いました。少人数のグループに分かれて、キーポイントとアクションのチェックリストを使い、米国企業の関心に沿ったピッチを行えるよう各社の担当者に助言しました。パワーポイントのページにおける情報過多、ついつい歴史や社長を強調しすぎる、会社独自のセールスポイントや事業目標が明確でない等のよくある日本企業のプレゼンにありがちな間違いについても話し合い、新しい言葉の選び方などを練習しました。
6月9日のB2Bイベントには、私たちのチームを含めて日米から160人以上が参加しました。嬉しい驚きだったのは、どのピッチも会社の歴史ではなく製品の特徴から始まるように改善されていたことです。私たちもアメリカの聴衆も、彼らがなぜ参加しているのか、何にフォーカスしているかに聞き入りました。ピッチの内容はわずか7日前とはまったく違っていて、日本的な視点ではなく米国的なビジネス志向に訴えかけるものでした。
JASOのチームは、オレゴン州への進出を考えているすべての日本企業を支援するために存在しており、プロスパー・ポートランドとのパートナーシップの継続・発展を期待しています。今回のチームに参加してくれた16名のほかに、JASOには800名以上のメンバーと130社の企業が参加しています。ご要望、ご質問については、お気軽に英語または日本語で info@jaso.org までご連絡ください。
＜補足＞―――――――――――――――――――――――――――――――――
[1] B2BとはBusiness-to-Businessの略で、企業間の商取引、企業が企業向けに行う事業を指す。
[2] ピッチとは、数分というごく短い時間で行われる「売り込み」やセールストークを指す。顧客等を対象とするプレゼンテーションと異なり、業界知識などのない不特定多数に向けて行われる場合が多い。
プロスパー・ポートランドでは、ポートランド情報をお届けする
日本語ニュースレターを定期的に配信しています。
ご希望の方はこちらのリンクよりご登録ください。
詳しいお問い合わせ（日本語対応可）
Kevin Johnson ケビン・ジョンソン
プロスパー・ポートランド（ポートランド市振興局）
ジャパンイニシアチブ担当
